ミスター・イングリッシュローズ ― 2007年05月26日 14:01
黄色いイングリッシュローズのグラハム・トーマスが咲くと、ベランダのバラの季節は折り返し地点を迎える。
まだ5月だからシーズン真っ盛りだが、温暖な横浜は咲き終わりも早い。梅雨直前の今は夏のような暑さで、バラたちも暑そうにぐったりとうなだれている。
トーマスはよく咲く年とぽつぽつとしか咲かない年が交互にやってくる。今年は咲く年だったらしく、黄色い花首を元気に持ち上げたたわわな姿を見せてくれた。
元気な黄色が人目を引く、さわやかで健康なイメージのバラだ。名前がトーマスだから、間違いなく男性であるところもうれしい。
ベランダのミスター・イングリッシュローズは、今年も彼に決まりである。
ラ・フランス嬢の思い出を語る ― 2007年05月19日 21:18
ラ・フランスというバラをベランダで育てていたのは、3年前くらいのことだった。
アーリー・モダンローズ(オールドローズとモダンローズの中間ぐらいのバラ)がブームになり始めたころのことだ。幾重にも重なった淡いピンクの花びらと甘い芳香を持った、素晴らしく魅力的なバラだ。
今でも、一番好きなバラは何かと聞かれたら、迷わず「ラ・フランス」と答えるだろう。
細い花首でうつむき加減に風にゆれながら、先がほんの少し反り返った花びらを一枚づつ懸命に開こうとしている姿がいじらしい。
あんなにか細くては、全ての花びらを自分で開ききれまい。手伝ってやろうと手を伸ばすと、たくさんの鋭いとげで拒絶してくる。
自分ひとりじゃ何もできないくせに、プライドだけは高くてなかなか近寄らせてもらえない。甘い香りを漂わせながらピンクの贅沢な衣装もてあましているその姿は、大邸宅のご令嬢のごときだ。
なんと手がかかるんだろうと遠くからじっと見守ってしまう、まさに男心をそそるバラである。
ベランダの過酷な環境の中で枯らしてしまったのは実に残念なことだ。今となっては思い出の中にのみ生きているが、いつかまた暇ができたら絶対にまた咲かせてみたいと思う。
ジロード男爵@働き盛り ― 2007年05月08日 14:58
連休も終わって5月も中旬となった。
横浜は今まさに、バラの季節真っ盛りだ。うちのベランダでもささやかにバラたちの宴が開かれている。
よそのお宅の広いお庭のバラのアーチや、近所の植物園のバラコーナーに比べるとつつましいわがベランダのバラ。それでも見るたびに「こんなきれいなバラは他にあるまい」と思ってしまうのは、手塩にかけて咲かせているからだろう。
赤いバラは「バロンジロードラン」。ベランダでは早咲きのオールドローズだ。今年も一番に咲いてくれた。
透き通るような香りに真っ赤な花色なのに「男爵」と呼ばれているのはなぜだろう。鋭いとげを持っているところなど、女性的だと思うのだが。
開きたては真っ赤だが、咲き進むと青みがかった赤となる。盛りを過ぎていよいよ青みが強くなると、写真のようにちょっと面やつれした感じになる。
残業続きで疲れきったサラリーマンのような表情だ。疲れ果てて散る寸前の姿に、
「そんなに無理しないで少し休めよ」
と思わず声をかけてしまった。すると、
「季節は5月中旬。今が盛りなのに休んでいてどうしようぞ」
と返事が返ってきた(ような気がした)。
働き盛りだから仕方ないか、と妙に納得させられた。まるで自分の姿を見ているような気がして部屋にひっこんでしまった。
明日も仕事だ。がんばろう。
バラ休暇 ― 2006年05月28日 11:36
日々忙しくしているうちに、5月も下旬となってしまった。
横浜ではバラの季節真っ盛りだが、そろそろ峠を越す時期だ。この春もオールドローズやイングリッシュローズに魅せられ、バラ園を渡り歩いたり、バラの写真を求めてインターネットを徘徊するローザリアン(バラに心を奪われて夢中になっている人)がたくさん誕生していることだろう。
新米ローザリアンほど手に負えないものはない。
何しろ頭の中の大部分がバラに占領されていて、家事も仕事もうわの空だ。一緒に暮らす者はたまったもんじゃない。
仕事で疲れて帰ってきたときに
「今度買いたいバラはね・・・」
なんて聞かされる身にもなってくれ。
ウワサによると、「バラ休暇」なるものが存在するという。
5月の天気のいい日に、バラ園に行くために仕事や家事を休んでもいいのだそうだ。まだ世間一般には認められていないが、そのうち法的にもちゃんと認められるように、今手配中だとか。
5月の晴天のある日、バラ見学に出かけようとする妻に夫が
「家事はどうするんだ? メシは? フロは? オレの弁当は?」
なんて言おうもんなら
「ローザリアンの権利の侵害云々・・・」と非難の声が上がる世の中になるんだそうだ。
職場で「バラ休暇届け用紙」に記入して提出すると、上司や同僚の了解を得て2泊3日の「バラ見学ツアー」に出かけることができるようにそのうちなるはずだと、うちのローザリアンが言っていた。
どんなに仕事がたまっていても「バラ休暇なら仕方がないよ」と許してもらえるようになるとか。
但し職場においては帰ってきた翌日にミーティングルームで、撮ってきたバラの写真をプロジェクターに映し出し、どんなバラを見てきたか説明をする義務があるそうだ。
本当か?? 冗談はやめてくれ。 ちょっと信じられないぞ。
今年の春は天気に恵まれないので、せっかくのバラ休暇もなかなか使えないのではないか。
「早くしないとバラの季節がおわっちゃう」と、お天気に関係なく、すべてを放り出してツアーに出かけるローザリアンの姿が、月末あちこちで見られるに違いない。観察してみてはいかがだろうか。
横浜ではバラの季節真っ盛りだが、そろそろ峠を越す時期だ。この春もオールドローズやイングリッシュローズに魅せられ、バラ園を渡り歩いたり、バラの写真を求めてインターネットを徘徊するローザリアン(バラに心を奪われて夢中になっている人)がたくさん誕生していることだろう。
新米ローザリアンほど手に負えないものはない。
何しろ頭の中の大部分がバラに占領されていて、家事も仕事もうわの空だ。一緒に暮らす者はたまったもんじゃない。
仕事で疲れて帰ってきたときに
「今度買いたいバラはね・・・」
なんて聞かされる身にもなってくれ。
ウワサによると、「バラ休暇」なるものが存在するという。
5月の天気のいい日に、バラ園に行くために仕事や家事を休んでもいいのだそうだ。まだ世間一般には認められていないが、そのうち法的にもちゃんと認められるように、今手配中だとか。
5月の晴天のある日、バラ見学に出かけようとする妻に夫が
「家事はどうするんだ? メシは? フロは? オレの弁当は?」
なんて言おうもんなら
「ローザリアンの権利の侵害云々・・・」と非難の声が上がる世の中になるんだそうだ。
職場で「バラ休暇届け用紙」に記入して提出すると、上司や同僚の了解を得て2泊3日の「バラ見学ツアー」に出かけることができるようにそのうちなるはずだと、うちのローザリアンが言っていた。
どんなに仕事がたまっていても「バラ休暇なら仕方がないよ」と許してもらえるようになるとか。
但し職場においては帰ってきた翌日にミーティングルームで、撮ってきたバラの写真をプロジェクターに映し出し、どんなバラを見てきたか説明をする義務があるそうだ。
本当か?? 冗談はやめてくれ。 ちょっと信じられないぞ。
今年の春は天気に恵まれないので、せっかくのバラ休暇もなかなか使えないのではないか。
「早くしないとバラの季節がおわっちゃう」と、お天気に関係なく、すべてを放り出してツアーに出かけるローザリアンの姿が、月末あちこちで見られるに違いない。観察してみてはいかがだろうか。