夏のフラミンゴ2007年08月24日 12:34

ハイビスカス・フラミンゴ

1日ごとに夏の終わりが近づいていることが感じられる季節。ベランダでは夏の盛りに開花を休んでいたハイビスカス・レッドフラミンゴがぽつり、ぽつりと咲き出した。

目の覚めるような赤い花が午後のベランダで風に吹かれて、まるで飛び立つ寸前のフラミンゴの羽のようにゆらゆらと揺れている。

あまりにもみごとな姿に見とれていると、30分や1時間はあっという間に経ってしまう。麗しいこの花を見つめている間は、暑さなど別世界のごとく思われる。

ハイビスカスは、ベランダの環境と相性のいい丈夫な植物だ。梅雨時に咲き始めて休んだり開花したりを繰り返しながら、10月半ばくらいまでは咲いてくれる。

開花期は長いが、このような見事な花は夏の盛りの今しか見られない。「去ってゆく夏も捨てたものではない」と、このフラミンゴを見て思ってしまう。夏の終わりとは淋しいものである。

夏の花の開花サイクル2007年08月12日 13:43

マンデヴィラ・ピンクパラソル

お盆休みのシーズンとなり、厳しい暑さが続く日々。コンクリートで固められたベランダの床は、日中は焼けるような暑さとなる。

それでも夏の花々が次々と開花している。あまりにも美しいその姿を見ると、如何に暑くても出て行かずにはいられない。

写真の花はマンデヴィラ・ピンクパラソル。繊細なパステルカラーの花びらは、暑さが厳しいほど生き生きとしてくる。まるで夏の日傘のようなこの花が咲くと、ベランダは夏の折り返し地点である。

マンデヴィラをはじめとしてハイビスカス、ムクゲ、キキョウ、ルリマツリなど、ベランダには夏を代表する花たちがいくつかある。注意深く観察していると、咲き方に2タイプあって興味深い。

ひとつは梅雨の終わりごろから咲き始めるタイプで、ハイビスカスやルリマツリなどがそれにあたる。7月の終わりから8月の上旬までに次々と開花して、8月の中旬にいったん咲き終わって少し休む。

もうひとつは8月の中旬に咲き始めて、秋の初めまでずっと咲き続ける。マンデヴィラは典型的なこちらのタイプだ。

お盆休みに入った今ごろがちょうど夏の花の入れ替わりの時期だ。梅雨明けからずっと咲いていたハイビスカスが一休みし、マンデヴィラの開花が始まった。

花の特性だろうか。それともこのベランダ独自のサイクルだろうかと、毎年不思議に思っている。書籍やインターネットなどで調べても、このことについては何も出てこない。植物たちがベランダの環境に合わせようと勤めた結果、こうなったのだろうか。

小さな日常生活2007年07月25日 13:04


少し早いが、今週いっぱい夏休みを取っている。

普段忙しくてろくに見もせず、水切れさせない程度にしかめんどうをみてやれなかったベランダの植物たちに、時間をたっぷりかけてあげられるのがうれしい。

朝、昼、夕方と用もないのにベランダに出て、ひとつひとつ鉢を持ち上げてみたり葉の裏側をのぞいたりして、のんびり過ごしている。こうしていると、普段気がつかなかった植物の様子や、ベランダの様々なできとごに気づくことができる。

写真はブライダルベール。熱帯アメリカ原産の暑さに強い植物だ。名前のとおり、深いみどりの葉に白い小花がゆれる様子が花嫁のベールのように繊細で美しい。

この小さな花を観察していて、朝開き、夕方には閉ることにはじめて気がついた。忙しくしているときにはわからなかった、小さな花のほんのささいな日常生活である。

こんな小さな花でもちゃんと一日のサイクルがあり、生きるために必要な動作をしていることに驚かされる。

株元では何かを口にくわえたアリたちが、忙しげに行ったり来たりしている。おそらくアリたちは、ブライダルベールの花が開閉することを、意識せずとも知っていることだろう。

人間にとっては小さな花でも、アリたちにとっては自分と同じくらいの巨大な花・ブライダルベール。朝に開き、夕方に閉じる白い姿は、アリたちにとっても脅威の的であろう。

白い花が閉じるのを見たアリたちは夕刻になったことを知り、仕事をやめて住家に帰っていくのかもしれない。

アリたちから見れば我々人間は、「ときどき出現する巨大な何か」だろうか。それとも景色の一部として、意識されていないのかもしれない。

いずれにしても、我々人間だけが世の中の中心ではない。どんな生き物でも快適に生活できるベランダにしていきたいものだ。

隔年開花プログラム2007年07月16日 13:36


ギボウシのキャロルが開花した。3年ぶりくらいだろうか。

もともとは毎年咲く種類だったが、丈夫だから日陰でも大丈夫だろうと北側のベランダに移動させたらその年から咲かなくなってしまった。

それでも春になると青々とした新芽を出して素晴らしい緑の葉を展開し、夏まで楽しませてもらえるのであまり心配していなかった。ただ、日当たりが足りないから、咲かせることはあきらめていた。

植物は一箇所にいることを好む。調子が悪そうだからと場所を移動させるとあっという間に枯れてしまうということを、ベランダガーデニングをしていて何度か経験した。

大地に根を張る植物にとっては一か所で生涯を過ごすのが正しい生き方で、場所を変えられるというのはその人生のプログラムには組み込まれていないはずだ。3年前に場所を移動されたギボウシ・キャロルは、人生設計を大いに狂わされたことになる。とりあえず咲くのをやめて、2年間様子を見ていたというわけだ。

3年かかってやっと今の環境になじむことができて通常のペースを取り戻し、花を咲かせたのだろう。

ギボウシもそうだが、日本の植物の中には2年に一度しか開花しないものがある。キャロルはもともと西洋育ちだから日向では毎年開花していたが、日陰に移ったら考え方を変えて、隔年開花のプログラムを組み込んだのだろう。それに3年の歳月が必要だったのだ。

咲かない年は緑の葉で楽しませてくれるから十分だ。植物によってそれぞれ個性があり、同じ種類でも環境によって生き方が違うのだから、付き合い方もさまざま。手がかかるが、それがガーデニングの面白さのひとつなのである。

ラベンダー比較:グロッソとスーパー2007年06月17日 13:08

ラベンダー:グロッソとシール

ラベンダーが盛りの季節になったので週末になると朝からソワソワ、ベランダに出っ放しの今日この頃だ。

早咲き種の収穫が終わって一段落していたが、先週末あたりから遅咲き種の開花が始まって、いよいよ華やかになってきた。

写真は遅咲きコーナーの一角だ。隣り合って植えているグロッソとスーパーが、ちょうど一緒に満開となった。

真ん中の低い位置にある2つの花穂がスーパー、両脇の高い位置にあるのがグロッソだ。背丈や花穂の大きさ、開花時期が同じだが、よく見ると花の色が少し違う。

グロッソのほうが花色が濃いのだ。肉眼でもよく見ないとわからないくらいの違いだが、ラベンダー畑などで群生して咲いていたらたいした違いとなるだろう。

どちらも背の高い大型種で遅咲き、丈夫な品種だ。惚れ惚れとするような長い花穂で、つぼみもたっぷりついている。

ポプリやクラフトづくりに両方とも適しているが、香りのほうは、グロッソが優れているようだ。

スーパーの香りもなかなかだが、グロッソにはかなわないと思う。

なんと言うのかうまく表現できないが、グロッソのほうが心の琴線に訴えかけるように香ってくるのだ。

花やつぼみはそれぞれに美しいが、香りに関しては早咲き種ではオカムラサキ、遅咲き種ではグロッソが郡を抜いているように思う。

個人的な好みの問題もあるかもしれないが、どうだろうか。